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木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.867 - 871, 1998/00
被引用回数:67 パーセンタイル:92.53(Chemistry, Physical)金属イオンの内部水和数N、すなわち第1水和圏にある水分子数は、化学種の配位環境に関する重要な情報を提供する。励起状態の寿命からIII価アクチノイド及びランタノイドのNを決定するために、蛍光寿命とNとの相関を研究してきた。本報では、ナノ秒オーダーの寿命を持つAm(III)及びNd(III)を対象に、この相関を検討した。DO-HO溶液及び一連のポリアミノポリカルボン酸錯体中のAm(III)とNd(III)の寿命をそれぞれ692nm及び890nmにおいて測定した。DO-HO溶液中での結果から、AmとNdの励起エネルギーはともに配位水のOH振動へのエネルギー移動で緩和されることを明らかにした。一連の錯体中のNの結果はいずれもEu(III),Tb(III)などよりも大きく、Am(III)とNd(III)がより大きな総配位数を持つことが示唆された。これらを基に、蛍光寿命とNとの相関を報告する。
目黒 義弘; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 65, p.19 - 22, 1994/00
テノイルトリフルオロアセトン(HTTA)とクラウンエーテル(CE)によるAm(III)とCm(III)の溶媒抽出挙動を検討した。有機溶媒として誘電率が高い1,2-ジクロロエタンを用いたときに、錯イオン種M(TTA)CEが抽出される特異的な協同効果イオン対抽出反応を見出した。18-クラウン-6を用いたとき、最も顕著な協同効果が観測されたが、これは金属イオンとCEとのいわゆるサイズフィッティング効果によると解釈した。イオン対抽出反応に基づくとAm(III)とCm(III)の分離係数が向上した。これも金属イオン径とクラウンエーテルの環孔径とのフィッティング効果によって説明できる。抽出反応への溶媒、クラウンエーテル、対陰イオン等の影響も詳しく検討した。